原発事故から11年 寄稿(三浦小太郎)

 報道によれば、3月21日、日本政府は東京電力管内で電力不足の恐れがあるとして、「需給逼迫警報」を呼びかけている。3月16日の福島沖地震で停止した火力発電所の復旧が遅れている上、天候悪化による気温低下で電力需要が高まると予想され、大規模停電の恐れがあるためだ。政府と東電は本日3月22日朝からの節電を家庭や企業に要請。不要な照明を消し、暖房温度の設定を20度にするなどの協力を呼び掛けている。
 電力危機に際し、日本国民が共助のために節電に協力することは当然だ。しかし、それには日本政府もまた政府としての義務を果たすことが前提である。今日本政府が行うべきことは、原子力発電所の再稼働であり、その発電によって安定した電力供給を実現することだ。
 現在、日本政府は原子力発電を停止し、火力発電(本来は予備電源)を中心とした電力に依存している。3月16日に生じた停電は、東京電力管内に電気を送る火力発電事業者JERAの発表によれば、地震の影響で福島県広野町にある広野火力発電所の5号機と6号機が稼働を停止し(出力はいずれも60万キロワット)たことが原因の一つとされている。
 もちろん、これは仮定の話ではあるが、たとえば北陸に存在する柏崎原発が稼働していれば、このような事態は防ぐことが出来ただろう。原子力、火力、そのほか様々な発電所は皆必要な存在であり、安全管理、旧態依然の設備の改善などを行いながら、複合的な電気の安定供給を政府は責任をもって行わなければならないはずだ。
 自然エネルギ―の研究を私は否定するものではない。しかし、現在のところ伝記の安定供給を保証し得ない自然エネルギーよりも、高出力の原子力や火力が必要であることは明らかだ。しかも、ロシアのウクライナ侵略で化石燃料が高騰化する危険性もある。電力の安定かつ安価での供給は、病院で治療中の患者や医療従事者のためにも、コロナウイルスから国民を守るワクチンの管理のためにも、そして不況下高い電力には耐えがたい中小企業や労働者の生活のためにも絶対に必要なことなのだ。日本製が国民を守るためにあらゆる手段を講じてこそ、国民に節電を呼びかける言葉には説得力を持つ。今、電力の確保が必要であること、そのためには、安全管理を保ちつつ原子力発電の再稼働が不可欠なことを宣言し実行することを、日本政府に強く求めたい。